2024.03.07

創立12周年と鶴の恩返し

2月29日で創業12年を迎えました。

「4年後に創業記念日を迎えられますように」

という思いで、わざわざ4年に1回ない来ない日に創業した弊事務所。

どうにかこうにか3回目の創業記念日を迎えられました。

お金は残ってないけど、かけがえのない12年の経験を得ることができました。

とりあえず、めでたしめでたし。

あとは12年で得た経験をどう社会に還元させ、経営に結びつけていくかですね。

頑張ろう、私。

息子くんが一人前になるぐらいまでは…(今8歳。まだまだ長い…。)。

さておき。

SNSで

「雇用してもありがたみを感じてもらいづらい」

という話をしていて、そりゃそんなもんだろうと思いつつ。

「なんか感謝されたり、得したことあったかな?」

とか考えたら、現在進行系でありました。

昔、大学卒業後に新卒で入社した会社をすぐに退職し、スクールに入学された方がいました。

一人暮らしをしながらスクールに通うけど、アルバイトは今から探すと。

「いくらあれば毎月生活できますか?」

とお聞きし、アルバイト代を設定。

スクールのお手伝いをしながら、そんなにやることもないと思うので、余った時間は勉強に充てていいよという契約です。

どこにそんな余裕があったのか!

タイムマシンがあったなら、今すぐ当時にタイムスリップし、当時の自分をぶん殴ってやりたい。

かっこつけてんじゃねーよって。

当時はそれぐらいの余裕はあったのでしょうか。

どこかで記憶が飛んでしまったのか、本当に覚えていません。

そんな感じで1年弱アルバイトをし、デザイナーとして就職してたぶん10年弱。

今は某大手企業のインハウスデザイナーでWebにグラフィックに活躍されてるみたいですが、その方のご紹介で昨年末からお二人ご入学されました。

その方がお仕事を頑張ってる証拠なんだと思うのです。

その中で

「デザインを習いたい」
「コーディングを習いたい」

という職場の同僚の方に弊校を紹介してくださってるみたいです。

しっかり恩返ししていただいてましたし、雇用していいことがあったということですね。

卒業生のほとんどの方について現在どうしているかわからないですが、こういう形で活躍されているってお教えしてもらえることは何事にも代えがたいことです。

誰もが卒業できるわけでもないし、誰もが就職できるわけでもない。

その中で結果を出して、継続していけているのは、その人が真面目に頑張った結果だと思います。

一日一日、朝起きて夜寝るまで「次の仕事」に追われているだけの日々ですが、スクール業や教える業を行う理由の一つに

「真面目に頑張っている人が報われる社会であるべきだ」

という思いがあります。

私を含めて、真面目に頑張れないのが人間だと思います。

その中で純朴で真面目に頑張っている人は報われるべきだと思いますし、報われるように方向付けするのが私のお仕事だと思っています。

12年後にどんな思いを綴るのか。

というか、12年後も会社は存続しているのか。

続けているのか。

老後は嫁さんといろんなところを旅して周りたいという思いを果たすためにもう一周頑張ろう。

2024.02.07

なぜデザイナーになりたいのか?

デザインスクール運営がメイン事業な弊社。

多くの方が「デザイナーになりたい!」と思い、ご入学いただくわけです。

誠にありがたいお話です。

ですが、半分ぐらいの方は「デザイナーになりたい」を実現できません。

途中で通学しなくなるか、卒業後デザイン以外の業界を目指すか。

「なぜ、デザイナーになりたいのか?」

がとても重要だと思うのですが、

「そもそもデザイナーというお仕事について、どんな仕事か理解しているのかな?」

と思うことは多いです。

と書いている私もこの業界に入る以前、全く知りませんでした。

「絵を描いたり、彫刻を彫ったりするのがうまい人々の世界」

と思ってましたし、自分がそんなお仕事をするとは0.02ミリも考えていなかったです。

私の場合は流れ流れてなので、そもそも一度も「デザイナーになりたい」と思ったことはないのですが。

さておき「デザイナーになりたい理由」は何でもいいと思っています。

なりたい理由の崇高度や解像度の高さと、実際になれる、デザイナーになった後に仕事としてやっていけるか?には関係性はないような気がします。

・普段の仕事や学校で使っているパソコンの操作ですら実は使えていない
・誰でもできるように作られているはずのデザインソフトの操作ですら難しい
・デザインソフトが使えるにようになったのに何も思いつかずデザインできない
・何度つくっても素人くさいデザインしかできない

いざやってみて初めて上記のような壁にぶつかるわけです。

そこはデザイナーになるためには超えないといけない壁なので、それらの壁を乗り越えられるかどうかが求められます。

「デザイナーになりたい理由」なんてどうでもよく、それらの壁を乗り越えられるかどうかだけなのではないでしょうか。

・壁など存在しないと思っていた
・スクールに通いきれば自動車教習所のように免許が授与されるシステムだと思っていた
・壁はあるだろうが乗り越えられると思った

とかなのでしょうか。

多くの人にとって壁を乗り越える作業は面倒なことなのではないでしょうか。

それを乗り越えてでも得たい何かは何なんでしょうか。

業界の平均年収はそんなに高い業界でもないと思いますので、「お金」がモチベーションな方が目指す業界ではないと思っています。

多くの人にとって、そもそも「何かを乗り越える作業」ってめんどくさくて、「いかに避けるか?」を考えるのが日々の生活での最優先行為なのではないでしょうか。

そんなことを考えたりします。

「自分の力で壁を乗り越える経験」

というものはお金で買えない、人生を自分主導の楽しいものに変えてくれるものじゃないかなって私自身は考えています。

目の前の皆様にもそういう経験を経て、楽しい人生を送ってもらえたらなって思ってお仕事しています。

ほとんどの壁は小さい小さい石ころみたいな壁です。

でも、超えたことがない壁はとてつもなく大きく見えます。

ほとんどの人が引き返してしまう石ころぐらいの壁。

そういうものを乗り越える気概を持つ少数派ならデザイナー、というか技能で食べるお仕事を目指せるのかなって思います。

世の中には「乗り越える」を求めないお仕事もあると思います(いろんなお仕事があって、それら一つ一つの役割により社会が成り立っているはず)。

自分の性格、人生観、仕事観、得意・不得意と相談しながら職業選択してもらえたらなと思います。

その中でデザイナーを目指すのであれば、最善のサポートをすることを約束します。

2024.01.30

イップス

皆様「イップス」をご存知でしょうか?

「イップス」とは、スポーツ選手が経験する心理的な障害の一種で、特にゴルフや野球などの精密な動作を要求されるスポーツで見られます。この状態にある選手は、突然、習得していた技術を正常に実行できなくなることが特徴です。イップスは、過度の緊張、不安、自信喪失などによって引き起こされることが多く、単に技術的な問題ではなく、心理的な要因が大きく関わっているとされています。

例えば、ゴルフではパットの際に手が震える、野球ではキャッチャーが簡単な送球を失敗するなど、普段は容易にこなせる動作が困難になります。イップスは一般的には心理的なアプローチでの治療が必要とされ、スポーツ心理学者や専門のコーチによるサポートが効果的です。

以上、私の仕事の強いパートナーChatGPTさんがまとめてくれました。

基本的にスポーツ用語として浸透している言葉ですが、社会の中で多くの人がそれぞれの「イップス」を抱えているのでは?って考えています。

普段何気にできることが、ある状況下ではできなくなる現象。

私のお仕事のメインは「経験ゼロからプロのデザイナーへの就職に導く」ことなんですが、そのために必要なことをお伝えして、できるように導く力が当然求められます。

ただ「デザインの経験がある」「わかりやすく説明する」とかだけでするお仕事ではないと考えています。

今できなくても、やってたらできるようになること。
試行錯誤していく中でできるようになること。

その類のものを「できない」と思わせないようにするのも、私の中で重要なウェートを占めるお仕事です。

「できないはずだ」という先入観は私の中で結構な敵です。
邪魔です。

それが大きくなってしまうと何をどう伝えてもどうしようもなくなります。

脳科学者の方が言ってましたが

「脳は現実と幻想の区別がつかない」

とのこと。

私達はイメージした通りに行動してしまうとのことです。

「できない」と思うと、できないように脳も身体も動いてしまうと。

デザインだけじゃなくて、生きていく中でいろんな他者の「できない」に出会ってきました。

私自身にも「できない」があります。

スポーツ選手のイップスも然りですが、一度持ってしまった負のイメージを払拭するのはとても困難なことらしいです。

「できない」になってしまった時点で後戻りすることは困難なので、「できない」と思わないように自分を強く持つしかないのと、周りの声掛けの重要性を感じます。

著者

著者

大阪本町制作所デザインスクール代表。講師。株式会社大阪本町制作所 代表取締役。初老のおっさん。