2024.09.09

自分の限界点

未経験からデザイナーへの就職を目指す方が多い弊スクール。

ポートフォリオを作成していく段階で心折れてデザイナーへの就職を諦める方もいるのだと思います。(知らないところでポートフォリオをブラッシュアップさせ、就職している方もいるのかもしれませんが)

100の労力で就職できるだけのポートフォリオを作成できる人もいれば、5の労力で同じことを成す人もいるのかもしれません。

それが向き不向きだったり、持って生まれてきたものの差、育ってきた環境の差なんだろうと思います。

「ポートフォリオを作成し、デザイナーとして就職する」

というものが求める労力は、私の中では「9割ぐらいの人は達成できるんじゃないの?」って思ってます。

私が自分自身の人生を振り返った時に

①めちゃくちゃ大変な乗り越える壁
②そこそこには大変な乗り越える壁
③ちょっとの準備で乗り越えられた壁
④あっさり乗り越えられて、もはや壁ですらない壁

と4段階の壁があるとすれば、②ぐらいのレベル感だと思ってます。

あくまで、1,000人近い生徒の方と接してきてですが「この人は絵を使った情報伝達(私の中でのおおまかなグラフィック・ウェブデザイン感)を身に付けるのは難しいだろう」と思う人はいます。

音の抑揚をうまく再現できない私が歌をうまく歌うのと同じぐらい難しいのでは?と思います。

あと「文房具や絵の具であればできること、日常生活でやってることをパソコンソフトやパソコンに置き換えられない」という方もいます。

これも仕方がないことって思います。

私も逆上がり、跳び箱、駐車等、他の人が当たり前にできるけど、まったくできないことが多々あります。

できないなりに工夫してカバーするだけの思いやメリットがあるのなら別ですが、そこまでして得体も知れぬデザインという業界を目指す方は今のところ知らないです。

ということで、

「②そこそこには大変な乗り越える壁」

を乗り越える作業が「デザイナー・Webデザイナーへの就職」なんだと思います。

でも、「②そこそこには大変な乗り越える壁」が「①めちゃくちゃ大変な乗り越える壁」に見えてしまうのが人間です。

あてもない高い壁を必死にもがいて登ってやろうって思うのはなかなか難しいです。

もっと低い壁を探す方が堅実な気がします。

ただ、人生って「②そこそこには大変な乗り越える壁」の乗り越えようとして、もがき続ける繰り返しだなと、強く思っています。

ポートフォリオをブラッシュアップさせて、デザイナー・Webデザイナーへの就職をなし得てきた方々は皆、自分の限界点を乗り越えたんじゃないでしょうか。

「おー!ここまでできるようになったんや〜」

と感動させられることが多いです。

人間は脳にリミッターが入っていて、無理しないように限界点より低めに設定されていると言われています。

なので、自分のリミッターに歯向かって、そこを乗り越えようとしない限りは、リミッターは低く設定されたままです。

低く設定された自分の限界点の中でどう職業選択し、どう生きるか?を考える。

人それぞれなのでそれも個々人の自由。

でも、自分の限界点を乗り越えた経験は新たな景色を見せてくれます。

何者でもない、出来のよくない自分に、ちょっとは自信を持てたり、肯定できたり、時にダメな自分も許せるようになったり。

そういう経験をした人の強みを感じます。

より、自分の限界点を超える経験を一度して欲しいなって思います。

と思って、スクールというお仕事をしています。

お金を払うだけでは買えない経験の差が、あとの人生を豊かなものにしていくのではって考えてます。

2024.07.03

ユーモア

「どうすれば目の前の人がデザインマスターになれるか?」を日々考える業な私。

真面目さ。

デザインへの熱意。

つくること=楽しい、な感性。

美的感覚。

理解力。

忍耐力。

プライド。

そういったものが必要だと思いますし、順調に成長、プロのデザイナーになっていきます。

ただ、大切なことは「プロのデザイナーになる」ではなく「プロのデザイナーになって幸せに働いていく」だと考えいてるので、そう考えた時にほとんどの方に足りないと思うものがあります。

逆に上記の要件をそんなに満たしてる気がしない私が唯一持ち合わせているものかもしれない。

ユーモア。

「就職してもいつか壁にぶち当たるんじゃないかな?」

そんなことをよく思うわけですが、それは「ユーモアがなくてもうまくいく業界なのかなー?」と思うのが理由です。

ということで、みんな大好きChatGPT師匠にユーモアについて聞いてみました。

「どうすればユーモアになれますか?」

1. 観察力を養う
2. 他の人のユーモアを学ぶ
3. 自分のユーモアスタイルを見つける
4. 失敗を恐れない
5. 自分を笑う
6. ポジティブな態度を保つ
7. 練習とフィードバック

ユーモアのセンスを磨くには時間と努力が必要ですが、楽しみながら取り組むことが大切です。

らしいっす。

ChatGPT師匠的には後天的にも身に付く能力らしいです。

が。

しかし。

右手にユーモア、左手にハッタリを握りしめて生きてきた私。

幼、小、中、高、大、結婚式の二次会と人前に立ち、笑いを取る役を与えられてきたわけですが、ウケたことの方が多いとは思いますが、たまにスベることもあるわけです。

で、これが非常に凹むのです。

夜、寝れないぐらいのレベルで凹むのです。

めちゃくちゃ傷つくわけです。

単なる自爆ですが。

そこからテレビ、ラジオ、マンガ、オモロいやつとの会話、社宅の共同風呂でのオモロいおっさんとの会話をマネてみたり、うまくいかなかったりを繰り返すわけです。

学年全員の前に出てフザけるやつは、アホな目立たがり屋だと思われがちですが、

「誰かがアホにならないといけない」

「みんなを楽しませないといけない」

と勝手に重い責任を背負い、覚悟を決めていたりします。

受験勉強や部活動、大学の研究や就活等でみなさんが忙しい時に、こっちはそんなことを必死にもがき苦しみながらやってたわけです。

人は20代、30代、40代と年を重ねていくにつれ、己の中のリミッターがより強くなっていくんだと思います。

多くの場合、集団の中でフザける役を勝手に担う者がいるのですが、そうじゃない方がフザけるのは年を取れば取るほど、ケガすることが怖くてできないんじゃないでしょうか。

たまに面白い人もいるんですが、そういう人は行動には出さずに、普段から脳内で面白いことをずっと追っかけてきた方なのではないでしょうか。

という感じで、ChatGPT師匠が言うように後天的にある程度大人になってからいきなりユーモアを身に付けるってのは難しいのでは?って私は思っています。

ユーモアについて勝手にまとめると

・事象や他者を広く深く観察する
・「おかしい」の仕組みを理解する
・相手に合わせて内容を編集する
・タイミングを考える

等が求められるのではないか、と。

面白いの情報収集、観察眼、分析力、情報編集力、心遣い。

ユーモア以外のデザイナーに必要な資質の部分も大人になってから身に付けるのは難しいことばかりだとは思います。

自分がつくるものは結局自分の人生であったり、ものの見方、感じ方なんだと思います。

その中でユーモアや他の必要な資質をどうすれば少しでも伸ばしていけるのか。

考えてみよう、私。

2024.04.18

最強の補欠

世の中のブログの何%が稼働しているのだろうか。

ブログがあるのに長らく更新されていないとやる気がないように見えたり、マメさがないように見えてしまう。

危ない危ない。

ということで、生存確認としての意味も含めてブログ更新。

「この方にとって今一番必要なトレーニングは何だろう?」を考えるのがお仕事ですが、学生時代から起業するまでブランクはありながらもずっとスポーツをしてきて、自分のトレーニングメニューを考える日々でした。

なので、トレーニングメニューを考えることに関しては、他の方より先に始めて長い事続けてきたというアドバンテージは今のお仕事でもあるんだと思っています。

スポーツとデザインって畑は違ってもトレーニングはトレーニングなので、いかに置き換えるかということで。

お勉強やらお仕事やらはどこかで器用なのかもしれませんが(一緒に働く奥さん曰く多々不器用な旦那らしいですが)、スポーツは本当に全くダメで。

今になってやっとこさ「同年代の中では動ける」というレベルになったような気はしますが、時すでにもうすぐ48歳。

自分が動いてるところの画像をもらっても、デブのハゲが真剣に動いているというサモ・ハン・キンポーに抱いてた何かと似たようなものを感じるだけだったりします。

が、しかし。

ゴールキーパーというポジションを30年ほど続けてきて、試合に出れない時期もちょいちょいあるわけですが、私が補欠の時の勝率の良さたるや!

毎回ベンチからチームメイトたちが快挙を達成する姿を眺め、一緒に歓喜していた次第です。

が、しかし。

私がレギュラーの時のチームの成績の悪さ、そして雰囲気の悪さたるや…。

これは自分の実力不足、準備不足、自分への甘さ、チームメイトへの甘さとかいろいろ原因はありそうです。

あと、エゴイズムが足りない!(ブルーロック世代)

そこは置いといて(志村けんと田代まさしの老夫婦のコント風)、「チーム」というものを考えさせられます。

試合に出ていない補欠も含めてチームなんだと思います。

試合に出ているメンバーは必死で自分のことでいっぱいいっぱいになりがちなので、補欠のメンバーが冷静にチームをプラスに導かないといけないのです。

戦略的なことは監督やコーチの担当なので、落ち込んでいるメンバーや熱くなっているメンバーのメンタルケア、水やタオルなどを渡したり、アップに付き合ったり。

その中でいつ自分も出場するかわからないので、自分もウォーミングアップをやりつつ。

うまくないこと、実力不相応な強いチームでプレイしていることを理解していたので、そのへんは謙虚に補欠に徹することができたのかもしれません。

強引にお仕事の話に引き戻しますが、うちのスクールで学ばれる方々は、デザイナーに就職をすると皆さん今の自分の実力より高いレベルが求められる場所に所属することがほとんどだと思います。

頑張ってもできないこと、成長するのに時間がかかることができないことは仕方がないですが、経験や潜在能力に頼らない、自分の意志だけでどうにでもなることは誰よりも全力でやった方が結果的に得です。

そうしていく中で次のチャンスが巡ってきたり、チームの中での自分への信頼、距離感が変わってくるはずです。

その時に実力を発揮できるために日々準備するしかないんです。

こういうことを言うのは現代社会では老害になってしまうんでしょう。

クレバーな人間はそういうことを言われなくてもできるでしょう。

他人に何かをアドバイスしづらい時代だからこそ、自分で「どういう行動を取るべきか?」を判断する力が求められる時代なのかもしれません。

著者

著者

大阪本町制作所デザインスクール代表。講師。株式会社大阪本町制作所 代表取締役。初老のおっさん。