2024.02.07

なぜデザイナーになりたいのか?

デザインスクール運営がメイン事業な弊社。

多くの方が「デザイナーになりたい!」と思い、ご入学いただくわけです。

誠にありがたいお話です。

ですが、半分ぐらいの方は「デザイナーになりたい」を実現できません。

途中で通学しなくなるか、卒業後デザイン以外の業界を目指すか。

「なぜ、デザイナーになりたいのか?」

がとても重要だと思うのですが、

「そもそもデザイナーというお仕事について、どんな仕事か理解しているのかな?」

と思うことは多いです。

と書いている私もこの業界に入る以前、全く知りませんでした。

「絵を描いたり、彫刻を彫ったりするのがうまい人々の世界」

と思ってましたし、自分がそんなお仕事をするとは0.02ミリも考えていなかったです。

私の場合は流れ流れてなので、そもそも一度も「デザイナーになりたい」と思ったことはないのですが。

さておき「デザイナーになりたい理由」は何でもいいと思っています。

なりたい理由の崇高度や解像度の高さと、実際になれる、デザイナーになった後に仕事としてやっていけるか?には関係性はないような気がします。

・普段の仕事や学校で使っているパソコンの操作ですら実は使えていない
・誰でもできるように作られているはずのデザインソフトの操作ですら難しい
・デザインソフトが使えるにようになったのに何も思いつかずデザインできない
・何度つくっても素人くさいデザインしかできない

いざやってみて初めて上記のような壁にぶつかるわけです。

そこはデザイナーになるためには超えないといけない壁なので、それらの壁を乗り越えられるかどうかが求められます。

「デザイナーになりたい理由」なんてどうでもよく、それらの壁を乗り越えられるかどうかだけなのではないでしょうか。

・壁など存在しないと思っていた
・スクールに通いきれば自動車教習所のように免許が授与されるシステムだと思っていた
・壁はあるだろうが乗り越えられると思った

とかなのでしょうか。

多くの人にとって壁を乗り越える作業は面倒なことなのではないでしょうか。

それを乗り越えてでも得たい何かは何なんでしょうか。

業界の平均年収はそんなに高い業界でもないと思いますので、「お金」がモチベーションな方が目指す業界ではないと思っています。

多くの人にとって、そもそも「何かを乗り越える作業」ってめんどくさくて、「いかに避けるか?」を考えるのが日々の生活での最優先行為なのではないでしょうか。

そんなことを考えたりします。

「自分の力で壁を乗り越える経験」

というものはお金で買えない、人生を自分主導の楽しいものに変えてくれるものじゃないかなって私自身は考えています。

目の前の皆様にもそういう経験を経て、楽しい人生を送ってもらえたらなって思ってお仕事しています。

ほとんどの壁は小さい小さい石ころみたいな壁です。

でも、超えたことがない壁はとてつもなく大きく見えます。

ほとんどの人が引き返してしまう石ころぐらいの壁。

そういうものを乗り越える気概を持つ少数派ならデザイナー、というか技能で食べるお仕事を目指せるのかなって思います。

世の中には「乗り越える」を求めないお仕事もあると思います(いろんなお仕事があって、それら一つ一つの役割により社会が成り立っているはず)。

自分の性格、人生観、仕事観、得意・不得意と相談しながら職業選択してもらえたらなと思います。

その中でデザイナーを目指すのであれば、最善のサポートをすることを約束します。

著者

著者

大阪本町制作所デザインスクール代表。講師。株式会社大阪本町制作所 代表取締役。初老のおっさん。