2023.07.26

よーいドンで競争したら、お勉強ができる子が勝つ理由。

夏の甲子園を前に、高校野球地方大会で公立高校が私立の強豪校に勝利したという話をよく聞く今年の夏。

大阪の躍進している公立高校は学力が高いとされる高校が多いです。

これは単なる偶然ではないのでは、と。

表題の「よーいドンで競争したら、お勉強ができる子が勝つ」は、私が自分の経験も含めて思うことだったりします。

私は大学時代アイスホッケー部に所属しておりまして、関西の大学生のリーグの1部・2部に所属するチームでした。

1部上位はスポーツ推薦で入学した選手で固める私立の大学6校。

それらを追っかけるのは当時は、京大、阪大、神大、府大(私のとこ)でした。

どこも国公立でスポーツ推薦とは縁遠い、ほぼ全員大学に入って初めてスケートやホッケーに触れた未経験者です。

必死のパッチで練習して、どうすればうまくなるか、どうすれば相手に勝てるか。

労力を惜しまずに時間を使い、カラダに負荷をかけて、思考を繰り返す。

勉強にも共通するそういうところで、スポーツ推薦がなく同様に未経験者中心の私立の大学とのレベルの差がつくのでは、と。

ちなみに私は努力できない側の人間なので、苦しみの4年間、チームに迷惑をかけ続けた4年間でしたが…。

似たようなカレッジスポーツのアメフトでも、昔から京大が強かったり、私の経験はたまたまじゃないと思います。

その中でも元々の運動能力(イメージした動きを再現する力等々)がなくて、うまくいかない私みたいなタイプもいますが。

デザインも似たようなところがあると思ってまして、「必死のパッチで練習して、どうすればうまくなるか、どうすれば相手に勝てるか。労力を惜しまずに時間を使い、カラダに負荷をかけて、思考を繰り返す。」に関しては、「どうすれば相手に勝てるか」を「課題を解決できるか」に、「カラダに負荷をかけて」を「脳みそに負荷をかけて」に置き換えたらそのまんまだと思います。

運動能力に該当するのが、言葉や比率、イメージを画に置き換える能力なのでは、と。

ここで言いたいのは「お勉強ができる」にも、ちゃんと理由があり、方法論があること。

理由があり、方法論があるから、お勉強だけじゃなく、野球等のスポーツにも置き換えて結果を出せる。

高校野球で、以前は勝てなかった私立の強豪校に公立高校が勝ったりする時代になったのは、インターネットの普及により、野球理論、野球技術、トレーニング法へのハードルがかなり低くなったこと、気軽にいくらでもトップ選手のプレイを研究できるようになったことがあるのかな、と。

デザインも同じくいろんな情報が入りやすい時代になったと思うのですが、情報商材の温床になってしまっている現状、情報の取捨選択能力がかなり重要なのかも。

早いことデザイナーとして就職して、現場でリアル体験の中から学ぶのが一番。

2023.07.15

努力はしなくていいけど、準備はしないといけない。

坂元剛、47歳。

説教くさい話ばかりになってしまう。

基本的に幼少期からフザけてたり、社会から逃げてる間に47年経ってた社会不適合者。

運だけで生きてきた人間なので偉そうにいう権利は1デシリットルもないという前提で。

私が大嫌いなものの一つに「努力真理教」があります。

努力できる人はめちゃくちゃ尊敬します。

生徒さんの中に努力できる方が何人もいますが、そういう方が報われるべきだと思いますし、そのためにできることがあるならば、全力を尽くします。

が。

しかし。

人に努力を強いる人が嫌いなんです。

「俺は若い頃に努力したから今の自分がある」

「だから、お前たちも努力しろ」

AだからBと解釈できない構文なのです。

あなたが自分で努力をしたと思ってるなら、それでいいでしょう。

そんなもん、チラシの裏にでも書いておけばいい話で、他人にとってはどうでもいい話だったりします。

努力したかどうかは他人が評価する話で、自分で宣言する話ではないと思ってます。

中には、自他ともに認める努力をした人もいるんでしょうけど、私の感覚では本当に努力をしてる人で自慢してくる人を見たことがないのです。

ということで、生徒の皆様にも

「努力なんてしなくていい」

とお伝えします。

「本当にやりたければ勝手にやるでしょうし、やらないってことはやりたくないってことだから、やらなくていいんじゃないですか?」

これが私の姿勢。

やりたきゃやればいいし、やりたくなければやらなければいい。

世の中たくさんの仕事があるので、無理にデザイン職を目指さなくても。

ただし。

目標達成のために足りないものがあるのなら、準備はしないといけません。

うちに入学される方々の多くの方はプロのデザイナーへの就職を目指していると思うので、それに見合うものを現状持ち合わせていないのであれば、身に付けておかないといけません。

それぞれの人の状況(人生観、デザイナーとしての目標、業界、人格、向き・不向き、技能、年齢、職業経験等)によって必要となるものは変わるでしょうが、それらを準備せずにいい結果が出ないのだとすれば、それは単なる準備不足です。

以前に社員の方に「人生で一番大きな買い物は何ですか?」と聞かれたことがあります。

「雇用=買い物」と言い切るのは違うのかもしれませんが、私にとって雇用が一番大きな買い物になります。

雇う側に立ったない方々を見てると「雇う側が背負うリスク」というものはかなり軽視されているように感じます。

「あなたを雇用したのは正しかった」と思わせないといけないし、それぐらいの気概は欲しいです。

準備ぐらいはしようよ、です。

準備もできないんなら、技能が求められる業界で雇用に見合う価値はないということなので、諦めるしかないです。

うちのスクールの場合は、一応私という道先案内人もいるので、その準備がそんなに大変なことだとは思ってません。

ですが、その準備すらできる人が貴重なのが、現代社会なんだろうとは分析しています。

デザイナーとしての、クリエイターやビジネスマンとしての向き不向きより、準備できるかどうかの第一ハードルで脱落してしまう方が多い、この世の中。

「準備できる人」は生きていけるんじゃないだろうか、と思う今日この頃。

2023.07.10

人生のゴールド免許

私は何を隠そうゴールド免許保持者です。
以前は免停になり、交差点で交通安全を啓蒙する活動をやらされたりしましたが、すっかりゴールド免許保持者です。

急に運転マナーやルールへの意識が高まったのか。
急にドライビングテクニックが向上したのか。

ということもなく、ただただ

「たまにしか車に乗らなくなった」

のが理由です。

そうです。

「車の運転をしないこと」が「最良のドライバー」になるわけです。

さて。

通知表に毎回「調子に乗りすぎるところがあります」と書かれていた小・中学生時代。

しょっちゅう怒られてました。

学校内では

・怒られる子…ダメな子
・怒られない子…いい子

という評価基準が用いられたような気がします。

「怒られる子」の中にもいくつかタイプがあるんだと思うんですが、私はただひたすらに「他者を笑わせたい」が起因だったかと思います。

それが授業やクラス活動を時に妨害していたのでしょう。

それはダメなことです。

うちの息子だったら蹴飛ばしてもらっても結構です。

「他者を笑わせる」という、自分で勝手に決めた「私が生まれてきた理由」を遂行するために、怒られることを厭わずフザけていたはずです(ただ遊んでただけのような気もしますが、とりあえずそういうことで)。

でも、多くの子は「怒られない」が行動基準になっていたように感じます。

「怒られない、笑われない、はみ出ないようにする」の最善策は「何もしない」になってしまう。

何も行動しなければ、怒られることもなく、内申書に響くこともない。
親を呼ばれることもないし、周りから嫌われることもない。

というような教育を直接的じゃないにしても、され続けて人格形成においてとても大切な時期を多くの方が過ごしてしまう。

そして、大学・専門学校・高校を卒業し、職に就く。

「何もしない」がベストな選択肢であった場所から、急に「何かをする」を求められる。

10代の多感な時期、子どもから大人に切り替わる時の行動指針が「何もしない」だった方々に、

「自分で考えて、行動すること」

を急に求める。

「何もしない」はやる気がない人、もしくは無能の烙印を押される理不尽さ。

私は授業時に「デザインは、考えてつくること」ってお伝えしていますが、それまでの人生の中で「自分で考えて行動する」の訓練(遊びでも何でもいいんですが)がされてない人にとっては相当しんどいだろうなって思います。

私達は起きてても寝てても五感を通じて、ずっと情報収集しっ放しです。

「何かをやろうとする」状態は五感をより鋭くさせるでしょう。

「何もやろうとしない」状態は五感を鈍くさせるのではないでしょうか。

その閉ざされた五感を通じて得た情報で構成された想像力は豊かなものになるとは思えません。

人格が大人になってから変わるのは相当難しいと思います。

余程の危機感か覚悟的な何かがなければ無理じゃないかなって思ってます。

「何かをする」をずっと求めてきた人らの選手権がデザイン業界やクリエイティブ業界って勝手に思ってます。

そういう人間たちと一緒に仕事をしていくんだから、ゴールド免許を求めてきた人生から、免停を何回も食らっても車の運転にチャレンジする人になるしかないと思う夏の日の1993でした。

著者

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大阪本町制作所デザインスクール代表。講師。株式会社大阪本町制作所 代表取締役。初老のおっさん。